引退後の進路として、「指導者」を希望する選手は多いですよね。
実際に、昨年10月に日本野球機構(NPB)が実施したアンケートでも、引退後に「やってみたい」「興味がある」進路のベスト5では、圧倒的に「指導者」が多かったようです。
1位:「資格回復し、高校野球指導者」(63%)
2位:「一般企業の会社員」(57%)
3位:「大学・社会人の野球指導者」(56%)
4位:「社会人・クラブチーム現役」(54%)
5位:「プロ野球の指導者」(53%)
指導者を目指す選手たちを大別してみると、
★「自分の選手経験」をもとに、指導者になる
★選手経験 +「指導者に必要な知識や資格」を得て、指導者になる
これら2つのタイプの選手がいるようです。
そして、後者の選手たちの多くが学んでいるのが「コーチング」です。
本来、スポーツコーチは、その選手の能力を引き出すことで試合に勝たせたり、その選手がもつ最高記録を更新できるようサポートするのが役目。
ところが、実際は選手時代の実績をもとに自分のやり方や成功パターンを押しつけ、選手の自発性を妨げたり個性を潰してしまうケースもあると聞きます。
プロ選手ともなれば、「自分のやり方」を確立している人が大半です。そんな相手に自分のやり方を押しつけることにはリスクもあります。
「コーチの指導によって選手生命を絶たれた」と訴える選手もいると、プロ野球関係者がおっしゃっていました。
最近は、企業でマネジメントする管理職の課題としても、コーチングの土台となる「カウンセリング・マインド」の不足があげられています。
この課題は、スポーツコーチも同様で、昨年私が日体大でコーチングを学んでいる院生に授業をさせていただいたときも、院生たちが一様に「傾聴スキル」の不足を体験し、かなりショックをうけたようでした。
「試合に負けた要因は、何だと思う?」
「勝つためには、何が必要?」
「いつ、どんな方法でやるの?」
「じゃ、それをやろうか」
このように「相手に問いかける」というプロセスを通し「本人に答えさせる」コーチング手法は、選手の自主性を養うには有効かもしれません。
目標達成意欲やモチベーションが高い選手には有効なコーチングも、
★そもそも、自分で考える力が低い選手
★経験が少なく、自分で思いつく選択肢が少ない選手
★心理的ダメージを受け、思考力が落ちている選手
★自己肯定感が低い、成功体験が少ない選手
このような選手においては、効果が得にくいとも言われます。逆にやる気をなくさせたり、信頼を失う結果にもなりかねません。
そもそも「ティーチング」が必要なレベルの選手に「どうしたらいいと思う?」と質問しても、答えはでてきませんよね。
また、信頼関係がない中で何を指導しても、相手の心には響きません。
このようなことから、
引退後に指導者になることを目指している選手の皆さんには、コーチングの土台となる「カウンセリング・マインド(傾聴スキル)」を身につけることをお勧めしています。
カウンセリングの基本は、「傾聴」というプロセスを通して相手に「共感」を伝えることです。
自分の考えや意見に共感してくれる人には、「安心感」を覚えます。
自分の考えや意見を否定する人には、「敵対心」を抱きます。
選手との「信頼関係」を築くための手段が「傾聴スキル」です。
「傾聴スキルが重要なのは良くわかったけれど、一体どこで学べるの?」
そんな疑問をもった選手の方もいるかもしれません。
興味がある方は、以下より気軽にご連絡ください。